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参考
[地図にない島へ]
武田英子・著
地図から消された島
 大久野島(オオクノジマ)は現在、広島県竹原市忠海(タダノウミ)町の沖にある周囲4キロの瀬戸内海国立公園で島全体が国民休暇村になっています。魚釣り場 海水浴場 温泉 散歩・サイクリングコースなどがあって休日は家族連れの憩いの場として賑わってます。
 しかし、この島にはもう一つの名前が存在していました。その名も『毒ガス島』。

 昭和のはじめごろ、毒ガスは非人道的なため国際条約で禁止されていたにもかかわらず、日本軍は密かにこの島で製造していました。第二次世界大戦がはじまると、汚染された島内で女学生まで強制的に働かせ、大人子供含め1000くらいの人たちが何も知らされず、また秘密を漏らせず、苦しみながら亡くなっていったそうです。
 そして、その毒ガスは中国侵略戦争で使われ、捕虜やスパイ容疑として捕まえられたロシア、中国、韓国の人たちをマルタ(丸太)と呼び、母子まで生きたまま実験したのです。

 図書館で見かけた児童書『地図にない島へ』のタイトルは、島っ子の自分にとって少し興味深いものがありました。 「SFかな?どんな島なんだろう」と思いきや、事実にもとづいて解りやすく書かれた現実の話だったのです。
  これは、軍艦島よりひどいかも・・・炭鉱の強制労働もたしかに非人道的ではありますが、ここまでいくと日本人の根暗の本質がモロ浮き彫りにされているみたいで、なんとも言いようない脱力感に見舞われました。

 そしてこの島は、風船爆弾も製造しました。気球くらいの大きさにつくられた和紙に、こんにゃくを塗ってアメリカまでとばしました。そして見事に到着したいくつかは、火災をおこしたり、教会に落ちて神父と数人の子供たちの命を奪いました。

 最終的にはアメリカから原爆を2発も落とされて、やっと終わらされた戦争ですが、日本に初めて核兵器が投下されて以来、世界での原水爆実験は2000発以上も行われています。
 兵器科学者はこう言い切りました。「人間はネズミと同じようなものだ」。
ここ
昭和13年の地図参照
大久野島