10.近代化遺産
先日、福岡県大牟田市の『石炭産業科学館』に行ってきました。
一昔前まで『ネイブルランド』というテーマパークがあって、
水族館と石炭館も併設されていたのですが、
今では石炭館のみが残っています。(さすが元・炭都)

平日、観覧客は私一人…。
建物は大きくてとってもキレイ。
中もハイテクな資料館となっていて、
触って電気の仕組みなどを勉強できたりする。
もちろん炭鉱の歴史や資料なども満載。

レプリカの採炭作業現場もあって、
「こういう所でお父さん達は働いていたんだ〜」と関心させられました。

端島時代まで(〜S.40代頃)の作業現場の写真でしか知らない私は
今時の採炭現場が超ハイテク化されていたのにビックリ。
(ツルハシと電動ドリルで人が掘ってたんじゃ〜?)

巨大トラクターにドラムカッターがついたような機械で掘り進んでいくのには驚いた。
こういう機械や技術って、もう日本で使われることがないんだな〜。
もったいない。

福岡県ではこういう石炭に関する資料館や立坑跡などがたくさん守られています。
なのに長崎県といったら・・・

西彼杵半島一帯では良質の石炭がたくさん採れて、
いくつもの島が活躍していたし、
つい最近までは池島が頑張ってくれていた。
昔は「一に高島、二に端島、三に崎戸の鬼が島」
と言われたほど (あまり、うれしくないが)
有名な炭鉱保有県だったのに、炭鉱の痕跡を消そう消そうと進めている。

原爆に対しても同じ。

長崎にしかない歴史や伝統を自ら消して、福岡City のマネばっかりしている。
そのうち観光客が減って慌てふためく様子が見えるよう。

せめて、端島くらいはキチンと近代化遺産として保護してもらいたい。

(ここでいう保護とは、岸壁の修復と無断渡航者への罰則強化のことを意味する)
*ワタシの中では既に世界遺産級のふるさとデス!!



追 記 

『めたせこいあ』大牟田市石炭産業科学館の冊子より紹介

囚人が働いていた時代もありました。
大きな爆発事故があった時もありました。
労働者と会社が激しく争った時期もありました。
だけど、いつもそこには
豊かなくらしエネルギーのために
石炭に熱い情熱と誇りを持った人々がたくさんいたことも
きちんと知ってほしい。
今はもう、石炭は掘っていないけれど、
石炭が築いた歴史は、大切な遺産となって町に息づいています
そして、石炭は新たに活躍できる日まで
今も地下に眠り続けています。
そんな大牟田のことをよく学び、
これからの大牟田の町と人とくらしをもっと考える
エネルギーにしてほしい。そう私達は願います。

「めたせこいあ」とは、別名「あけぼの杉」のことで、石炭の原木のことを指しています。
大牟田市の街路樹になっています。


過去の暗い時代から未来への活用まで、まるごと受け入れている。
そんな大牟田の皆さんの情熱に心を打たれ、大牟田の情報誌『めたせこいあ』から
許可を得て引用させていただいています。