12.棄てられた物たち
棄てられた島・棄てられた物たち…という表現が世間を飛び交っている。
廃墟といえば軍艦島とすぐ思いつくくらい代表的な存在となってしまった。
写真集やマスコミの勝手な表現がインターネットを通して広がってしまったから。
なんてこったい。どの『よそ者』も云いたい放題言いやがる。
何も知らないくせに。

私たちは、閉山が決まって3ヶ月で大人は仕事を探し、
決まればすぐに引越し作業をして離島しなくてはいけませんでした。
その時、要らない物はプールに持って行き、焼却してもらっていました。
家に残してきたのは記念に置いてきた大事な物ばかり。

それが他人にとってはどうでもいいような物でも、
その家の人にとっては、いっしょに生活してきた思い出の品。
いつか島に帰れた時に迎えてくれる物たち。
自分がここで生きていた証として、いつまでも残しておきたいと記念に置いてきた物たち。

当時は各家に電話も無く、島外の人に物を売ったり、あげたりすることができなかった。
今のようにフリーマーケットやリサイクルショップなんて無かった時代。
家の中だってほとんどの人はキチンと片付けてきた。

なのに、風化で荒れるのは仕方ないけど、
興味本意でよそ者が,、勝手に土足で人の家に上がりこみ、写真を撮りまくり、
自分の感傷をおしつけるコメントを発表している事については誠に腹立たしい!
なかには記念の品として勝手に持って帰っているドロボーもいる。
閉山後は、まるで海賊に押し入られたように、家の中の物は何もかも根こそぎ盗まれた。

端島のことをボロクソに言う奴らに問いたい。
「あなたはゴミの分別をキチンとしていますか?」
「車を運転する人はアイドリングストップをしていますか?」
「買い物袋を持参していますか?」
「環境を汚染しない生活をしていますか?」
「電気・ガス無しで生活ができますか?」

こういうことをできない人に軍艦島を非難する資格はない。
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