まんが日本昔話にも登場した『小袖餅こそでもち』のお話
時は室町時代永正14年(1504年)のある日、名和の殿様が庶民の暮らしを見ようと、一人お忍びで城下を歩かれていました。
小腹のすいた殿様は、たまたま通りかかった美味しそうな餅を目にとめ、茶屋の若い娘に注文し、心ゆくばかりに餅を味われ、さっさと帰ろうとしました。
城主の顔を知らない茶屋の娘は「食い逃げするのか!」と食ってかかりました。
いつもは家来が財布のヒモをにぎっていたので、うっかりお金を持ってくるのを忘れた殿様は、困りはて、とうとう片袖をちぎって、「これを持って明日お城に参れ、さすればに餅代をとらす。」と言って立ち去りました。
小袖の紋で殿様と知った娘と母は、打ち首にされるものと覚悟を決めて、恐る恐るお城に行きました。 そして娘は殿様の前で、「どうか母だけはお許しください。」と頼みました。
お殿様は何のことかとびっくりされましたが、親孝行な娘に感激され、お餅代と小袖やたくさんのお金をくださいました。
それ以来、この餅は『小袖餅』と名づけられ、「餅は餅でも、小袖の餅は孝行娘の味がする。」と云われています。
宇土餅
こちらも小袖餅と並ぶ宇土の銘菓です。いつの間にかプラスチック容器になっていました。
どちらのお餅も硬くなったら、レンジかオーブンで温めれば、美味しく頂けます。(^^) ※画像写真は2004年に撮影
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