熊本弁講座
今の日本語(標準語)ができる前は、みんな地元の方言で話していました。ということは、四郎はもちろん熊本弁、とくに天草弁まじりの宇土弁で喋っていたことになります。あまり考えたくない事実ですが・・・。一部ご紹介しましょう。
『参考書:くまもとの方言』
漢字 意味
あぎゃん、あがん、あやん、あげな
そぎゃん、そがん、そやん、そげな
こぎゃん、こがん、こやん、ごげな
どぎゃん、どがん、どやん、どげん
(地区で微妙に変わります)
  ああいう、あんなに
そういう、そんなに
こういう、こんなに
どういう、どんなに
あがしこ、そがしこ、こがしこ、どがしこ
(あしこ、そしこ、こしこ、どしこ)
  あれほど、それほど、これほど、どれほど。"しこ"は量を意味する
あっ、そっ、こっ、どっ
(あん、そん、こん、どん)
  あれ、それ、これ、どれ
あからん   つまんない、だめだ
あくしゃうつ 悪性打 手に負えず持て余す、困りはてる
(部屋が)あっか 明っか 明るい
あた、あーた。あたたち 貴方 あなたは、あなた達は
あとぜき 後塞 出た後に戸をしめる
(モノを)あせる。あせくる かき集める、かき探す
あやつ あいつ、あの人
あんま   あんまり
い  
いちころ 一殺 たちまちやっつける
いっちょん(好かん) 一丁 少しも(好きではない)、(大嫌い)
う  
うつくしゅう、うつくしか 美しい
うったくる 打叩 なぐりつける
うったつ 打立 外出する
うったまがる、おったまがる たまがる、びっくりする
うっちぬ 打死 死ぬ
うっちょく、いっちょけ 打置く 放っておく
うんぶくれる   おぼれる
うてあう 打合う 相手にする
え   
ええ 良い
えしれん   得たいのしれない
えだ
お  
おうどか、おどか 横道 ずぶとい、おうちゃく
おこなえん 行えん どうしょうもない
おごる しかる、怒る
おなご 女性
おひめさん (眼病の)ものもらい
おめく 大声を出す
おる、おっ 男が使う一人称
おろよか 疎良 良くない
か    
〜がいた   〜よね
かかじる 掻く かきむしる、ひっかく
かせ 加勢 手伝う
〜がた   〜分、100円がた買うなど。
かたる 加担 仲間に加わる
かつるる 飢える
がね かに
かぶる こうむる、受ける
がまだす 我慢出 精出す、頑張る
からいも 甘藷 さつまいも
からう 担う 背負う、かつぐ
がわっぱ 河童 かっぱ
き  
きつか   きつい、つらい、苦しい
きばる 気張る 元気を出す、力む
く  
ぐじゃっぺ   あばた(痘痕)、あばた面
くびる くくる、ゆわえる
ぐらりする   がっかりする、落胆する
くらすみ 暗隅 くらがり、暗い物影
け  
○○げ (だれだれの)家
けたくる 蹴飛 蹴り飛ばす
〜げな   〜らしい、ようだ、だそうだ
けまつつる、けつまずく   つまづく
〜けん   〜だから、ので、ゆえに
こ  
こくる つっこくる、つこける   転ぶ、転倒
ここらへん 此辺 このあたり、この地域
こさぐ 削る
こしらえる   つくる
こすか   ケチ
『ごす』とおきる   がばっと起きる
ごたる 〜のよう
こつ、ごつ こと、ごと
ごっつぉ ご馳走 ごちそう
こずむ 小積 積み上げる
こなす いじめる
こびる 小昼 午前の間食
こぶ 蜘蛛 くも
こまい、こまか、こめぇ 小さい
ころっと   すっかり
さ  
さす 花が咲く
さばくる、さばける 仕事が早く片付く
ざまぁにゃあ 様無 醜態きわまる
さるく、さらく 歩き回る
し  
じご   お尻、肛門
しこなす 為熟 物事を処理する
じだ   地面、土地
しちゃかちゃ(しちゃくぁちゃ)   めちゃくちゃ
しゃんむり   しゃにむに、無理やり
しょんなか   しかたがない
しれーっと   しらけている
じん お前、あなた、人
しんどする   きつい、辛い
す  
すくるる、すくばる   すくむ、硬直する
すとしゃが   それから、そうすると
すっけんぎょ   片足とび
ずんだれ だらしない
すーすーすっ   風がスースーする
ずる 出る
せ  
せからしか うるさい
せせる、せせくる   いじる、さわる
せびらかす   からかう
そ  
そいけん、じゃけん、そっだけん   だから、そうだから
そうにゃ、そうな   非常に、それはそれは
そぎゃんたい   そのとおりだよ
そすとしゃが   そうすると
た  
たいぎゃ、たいがな 大概 はなはだしく、
たぎる 熱くなる、暑くなる
たんなかだっか 田中楽 田んぼの中温厚な、おとなしい
〜だん   〜だもの
〜たい   〜さ。〜よ。
ち  
ちょちょくらかす、おちょくる   からかう
ちいーっと 少し、ちょっと
つ  
つくれん 始末に困る、取り繕いができない
つこくる 倒れる、落ちる
つっぽぐる   穴をあける
でけん 出来 できない、だめだ、いけない
でっしょ   でしょう
てれーっと   ぼんやりと
と  
〜と。とよ。   〜の。〜なのよ。
どーし、どして   どうして
どくら 怠者 なまけもの
どけだきゃあ、どけだっか   しつこい、あつくるしい
とっとっと 取ってるの
とつけむにゃあ   とんでもない
〜とな(何処に行くとな?)    問いかけの言葉
どべこす、どべ、どんべ 後尾 最後尾、びり
〜どま   くらいは、ほどは
とんと   まったく
な  
なーし、なして なんで、なぜ
なおす しまい込む
〜なっせ   〜なさい、なさいませ
なば きのこ
ならん   ならない、できない
なんかかる、ねんかかる   寄りかかる、もたれかかる
なんさま 何様 何といっても、なにしろ
に  
にくじ 憎事 いじわる
にゃあ 無い
ぬ  
ぬかる つきささる
ぬし 君、あなた
ぬすくる、ぬすける すました顔、知らんふり
ぬれーっと   不得要件の態度
ね  
ねずむ つねる
ねたわす、ねんたわす   病気になって寝込む
ねまる (食べ物が)くさる
の  
のさる   恵みにあずかる
のさん    たまらない、困りはてる 
〜ば   〜を
〜ばい。〜ばな、   〜なのよ
(〜して)はいよ 拝領 (〜して)ください
ばかう うばいあう
ばちかやす   ひっくり返す
ばっ!   あっ!(感嘆)
はってく 行ってしまう
ばってん   しかしながら、けれども
はらかく 腹掻 立腹、怒る、くやしがる
ひ  
ひえくさか 冷臭 生臭い
びきたん、びき、どんく かえる
ひして 一日中、終日
ひだるか ひもじい、空腹、お腹すいた
ひっとだす 思わず出る、ひょいと出す
ひともじ 一文字 わけぎ、細葉のねぎ
ひょうろう 兵糧 食料、動物のえさ
ひょくっと   ひょっこり
ひらくち まむし、毒蛇
びんた   頬、側頭、頭、
ふ  
ふ(の悪か) 運(が悪い)
ふてえめ 太目 ひどいめ、とんだこと
ふとう 大きく
ふんぽくる   踏み破る
ふんたくる 踏手繰 踏みにじる
へ  
へこ   下帯
へんぼ   とんぼ
へんなか 変だ、おかしい
ほ  
ほう!   ほら!(呼びかけの言葉)
ほういっぱい 〜一杯 たくさん
ほうがくもなか 方角無 とんでもない
ぼうぶら 南瓜 かぼちゃ
ほがす、ほぐる   穴を掘る、穴ができる
ぼく   駄目、失敗
ほっで、ほいで(そっで、そいで)   それでもって
ほねくさ 過労のため筋肉が痛む、神経痛
ほやけ 火焼 あざ(痣)
ま  
まつぼり   へそくり
まま   まんま、ごはん
み  
みがんのよか 身寒良 秋の冷気を覚える
みてん 見てごらん
む  
むかる むかう、抵抗する、立ち向う
むぞなげな   かわいそうな
むげえこつ むごいこと、かわいそうだ
むしゃんよか 武者良 格好良い
むぞか、むぞらしか   かわいい
め  
めご 目籠 かご
めんどくしゃ 面倒 めんどうくさい
も  
もがう 反抗する
もぐり にせもの、ごまかしもの
もてん   絶えられない、たまらない、もてない
もだゆる 急ぐ、心配する
もっこす   偏屈者、頑固者
もやい、おもやい 催合 催し合う、共同、分け合う
〜(だ)もんな   〜(だ)ものね
や  
やおいかん 柔ー行ー 物事がうまくいかない
やかましい、やぜぐるしい   うるさい
やりばなし 遺放 野放図、めったやたら、とどめがない
〜やけん、〜じゃあけん   〜だから
やっぱ   やっぱり
ゆ  
ゆっさんご ぶらんこ
よ  
ようと   まったく、すっかり
よかしこ 良-量 相当の分量
よだっか、よだきい 弥怠 大儀だ、ものうい
よな   (阿蘇の)火山灰
〜(しよ)らいた、〜らした、〜らす
〜なはった(尊敬語)
  〜(して)いる
り  
りゅうけむにゃ 料簡無 考えがない、あさはか
りょうる 料理 料理する
わ  
わけくちゃつかん、わけくちゃわからん   支離滅裂
わさもん 早生者 新しいものにすぐ飛びつく人
わっどん、わっどま 汝共 おまえたち、おまえたちは
わりゃ、わっ おまえ
わるごろ 悪五郎 いたずら坊主、あばれんぼう
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